留学体験記
- 古川 宣行 先生
- 2008年5月―
ドイツ Heart and Diabetes Center NRW, Ruhr University of Bochum
ドイツのNordrhein Westfahren州のBad Oeynhausenにある心臓センターに勤務しています。Bad Oeynhausenは小さな田舎町でドイツ中部よりちょっと北に位置しています。ベルリンやフランクフルトといったドイツの主要都市からはほぼ全て車で3時間ほど離れています。
この心臓センターでは年間3800例の開心術、900例のペースメーカー/ICD手術を行っており、これまでに1900例の心臓移植、2000例以上のVAD(補助人工心臓)手術が行われています。昨年の心臓移植は77例でした。手術室は6室あり、かつては毎日縦3列の一日18例の開心術が行われていましたが、最近では15例前後です。
手術は低侵襲心臓手術(MIC) による僧帽弁手術や大動脈弁手術、OPCABG、MIDCABG、TAVI、VAD、心臓移植などなどが行われます。
同僚は国際色豊かで、ロシア・ポーランド・イラン・シリア・トルコ・インドネシア・など色々な国からやってきています。最近、外国人医師の就労ビザのハードルが上がってきているようなので今後はどうなるかわかりません。
私はここで3年目から移植病棟に1年勤務し、現在はVAD病棟で働いています。手術は毎日2-3例入り、たまに執刀の機会があります。移植病棟にいる時は月に7-9回移植病棟の当直があったりしましたが、現在は月に当直3回程度+オンコールのみです。
手術経験だけでなく、VADや移植のことを学び、新しいdeviceや術式やstrategyなどを学び、こうした日々の中、精進を続けていっています。多分。